根本宗子の今、アイドルさんに会いにゆきます。  vol.3 ×土屋シオン(前編)

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  • 2014.10.14

根本宗子の今、アイドルさんに会いにゆきます。
vol.3 ×土屋シオン(前編)

劇団、月刊「根本宗子」を主宰する劇作家で、かつては公演や握手会にも足を運んだアイドルファンでもある根本宗子が、その活動に常にシンパシーを感じてきた「今のアイドル」に、作家の観察眼とファン心理の間でせめぎながら、深掘り対談に挑んでいくアイドル遍路企画『今、アイドルさんに会いにゆきます。』、略して『イマドル』!!インタビュアー・根本宗子の成長ドキュメントとしてもお楽しみ下さい。

(撮影:小川拓郎 / 文・構成:川端哲生)

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子役としてデビューしたのち、現在はD-BOYSとして活動中。アイドルであり、役者であり、楽器も弾ける、甘いマスクの若者かと思いきや、22歳とは思えないくらい芯のある素敵なエンターテイナー!私の中では、先日の『私の嫌いな女の名前、全部貴方に教えてあげる。』での主演が記憶に新しい、完璧無敵系男子、本日のゲストは土屋シオンさんです!(根本宗子)
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根本: D-BOYSの時のシオン君に会ったことがなくて、役者としてしか1ヶ月間接してなかったので、アイドルなの?って感じがあって、YouTubeで映像を見たら、アイドルだった(笑) この前の舞台(月刊「根本宗子」第9.5号『私の嫌いな女の名前、全部貴方に教えてあげる。』)の稽古初日の時も、絶対にアイドル、アイドルしたやつなんだって構えてたら、すごくいい人で、1ヶ月いい人でした。

 

土屋: 公演後も共演者さん達と舞台を観に行きましたよね。

 

根本: でも、今日の方がアイドルオーラがある。

 

土屋: 僕、汚い感じがするってよく言われるんですよ。なんか似合わないんですよ。お洒落なものとか流行のものとかを着てもあんまり似合わなくて。

 

根本: 私も流行りものが似合わない。カタログとか貰って、かわいいと思って、買いに行って試着すると、モデルが着るとかわいいのに私が着るとかわいくないんです。

 

土屋: そんなことはないと思いますよ(笑) ファンの人は僕のことをたぶんそう思ってて。汚い感じがする、お洒落じゃないみたいな。

 

根本: アイドルで言うと、公演のお見送りの時の印象があって。

 

土屋: 閉演後、普通にお見送りしようって思って、挨拶してたんですよ。そうして1人のお客さんと話していたら、いつの間にか沢山の人が集まっちゃって。

 

根本: 気付いたらなってましたね。血だらけになって終わるキャストが多くて、男性2人と梨木智香だけがすぐ出れたから。

 

土屋: 3人でみんなの代わりにお見送りしようか、ってなって。

 

根本: すごいなって。あれを見た時にアイドルだって思ったんです。

 

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土屋: 違いますからね。普段とは。

 

根本: いや、違くないですよ。役とのギャップがあって、またね。うちの劇団のファンの女の子が、シオン君が話をしている列を見て、「あの舞台見た後だから、あんな笑顔で話をされても何も信じられない。絶対に嘘だ」って言って帰って行きましたけど。

 

土屋: ファンも根本さんみたいな方なんですね(笑) あの役は、一番嫌いな人種を自分の中で組み立てていったらああなって、結構楽しかったです。自分はこういう男が嫌いなんだって提示してる感があって。

 

根本: でも最初に本読みした時に、私の場合、男性の演出が付けにくいことが結構あって、意識はしてないんですけど、女性視点にたぶんなっちゃてるみたいで、男性が台本を読んで苦戦することが多いんですけど、シオン君は珍しくあんまり苦戦することがなくて。いや、苦戦するところはあるにはあったんだけど(笑)

 

土屋: ありましたね(笑)

 

根本: でも、ニュアンスが違うとか、そういう面ではなくて。私のやりたいことが伝わってないということはなくて、やりやすかったんですよ。だから、本当に嫌な奴なんだと思ってた。地が嫌な奴だから出来るんだって(笑)

 

土屋: 根が女子ってことなんですかね(笑)

 

根本: ん?どういう事?(笑) そういうところですよ。いま真面目な話だったのに(笑)

 

土屋: すいません。でも僕、芸能の業界に籍を置いていながら、あんまり業界っぽいのが得意じゃないんです。

 

根本: 私より尖ってますよね。私が尖ってるのは、パフォーマンスな面もあって、もちろん思ったことを言っているんですが、地はとても小心者なので、また叩かれたらどうしようって思ってたり、実はするんですけど、シオン君の方が尖ってる。若いからかな。

 

土屋: 尾崎豊を聴いて育ったからですかね。

 

根本: 全然世代じゃないよね。

 

土屋: 子役の時にバンドをやるっていうテレビ番組に出演して、その時に、子供番組でバラエティなのに、ナルシストっぽいキャラ付けで「オレ的に〜」みたいなことを言う子供の役だったですけど、尾崎豊の『OH MY LITTLE GIRL』を歌ってほしいって言われて。

 

根本: すごい大人の要望(笑)

 

土屋: その時に聴いてハマって、尖った中高生時代を送りました。高校の学園祭で「うるせー!」ってライブ中に叫んだりとか。

 

根本: それちょっと分かんないけど(笑) でも、超芸歴長いんですよね。全然大先輩で、この前の舞台でもこの座組みで一番崇めなくちゃいけない人なんじゃないかって、女優陣で「私達、間違ってるんじゃないか」って話したりして(笑)

 

土屋: でも、子役は自分からやりたいと思ってやっていなかったので。

 

根本: もともと何がきっかけで始めたんですか?

 

土屋: 大阪に住んでいた時に、スカウトして頂いて。

 

根本: スカウトってどこでされるの?

 

土屋: おもちゃ屋さんで、ピチピチゴンザレスって、気持ち悪いロボットがいたんですよ。それ見て、キャッキャしていたら、親が話しかけられたみたいで。お店で可愛いこぶってるところを。

 

根本: 昔から可愛いこぶってたんだ。でも、絶対可愛いよね、小さい時。

 

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土屋: 僕、劣化子役の典型って言われますもん。

 

根本: いやいや。「俺、かわいくないし、かっこよくないし」って発言をよくするけど、この前の舞台で一緒だった小西耕一が、それに半ギレして、「本当に失礼だよ。本当にかっこよくない人の気持ち分かってない」みたいに言って。「黙ってたら小西さんの方がかっこいいですよ」って言うのとか、有り得ないからね!

 

土屋: 本当ですよ。小西さん手足長いし。

 

根本: あれ、手足長いのおかしいだけだから。

 

土屋: 違うんですよ。小西さんは姿勢が悪いから、エヴァンゲリオンみたいになるんですよ。

 

根本: 絶対に怒るよ(笑) この対談読んで、また。有り得ないからね、本当に。

 

土屋: 仲良しですから。座組みで、男2人だけだったから。

 

根本: そうですね(笑) 演じるのは可愛い役の方が多いんですか?普段は。

 

土屋: 意外とオラオラしてる役とかが多いです。

 

根本: そうなんだ。でも、ああいう私が書いたみたいなやつは?

 

土屋: 初めてですね。

 

根本: ファンの人の反応はどうでした?

 

土屋: お見送りの時にも「シオン君は本当はどういう人なんですか?」ってすごい訊かれたんですけど、僕自身、自分のことがまだまだ分かんないし、人が僕を見て思う事がその人にとっての土屋シオンなんじゃないって思うので、捉えられ方はファンに委ねてます。

 

根本: 恋人って言い張るファンがいたら、恋人ってことになっちゃうよ。今の発言からすると(笑) やりたいのは、役者とアイドルならどっちなんですか?

 

土屋: 何がやりたいというより、自分が何を表現できたらいいかなって思ってやってるので、表現するアウトプットの仕方が、音楽でもいいし、ダンスでもいいし、芝居でもいいしって、結局何でもやりたいんですよね。

 

根本: 何でもやりたいとか言うと、とんでもない仕事がきますよ。

 

土屋: いいですよ。以前出演させて頂いていたある番組で、渡されたおにぎりに蚕とか入ってることがあって。あと、真冬の雪山にふんどし一丁で滝を浴びてきたりとか。

 

根本: ふんどしになるのはいいの?CUBE主催の演劇でそういうのやってますよ。

 

土屋: 『押忍!!ふんどし部!』ですよね?あれ、友達が出演してて。

 

根本: 私、観に行った。企画してる人が知り合いで、あと、作家が『男子はだまってなさいよ! 』の細川徹さんで、HIGHLEG JESUSの河原雅彦さんが演出で、小劇場的には熱いタッグだったから。ああいうエンタメあるんだって思って。元々、私は演劇が好きで観てたから、西田シャトナーさん演出の舞台観た時も、パワーマイムがああいうイケメン舞台で発揮されるのが意外だったし、HIGHLEGのくだらない部分が、カッコいい男の子達の演出に役立つのが凄いって思って。こんな需要があるんだなって。私も10年後くらいに仕事も無くなった頃に、イケメン舞台の演出とかに呼ばれるみたいな、そういうのが一つあれば、食いっ逸れないのかなって思って(笑)

 

土屋: それ、結構ガチな話じゃないですか(笑)

 

根本: とは言えやたくないことはやらないけど。でも、やっぱり流行り廃りはあるので。今、私は別に売れてないけど、今面白いって言われてても、流行んなくなる時期が絶対あって、大学も出てないから、演劇で駄目になったら食べられないんで。前回の対談でも話したんですけど、基本的に自分が養っていこうと思ってるんで。駄目な人と結婚して。

 

土屋: へー。そうなんですね。

 

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根本: 家で全部準備してくれればそれでいい。何もしてくれないのは嫌だけど。どうですか?結婚願望とかあるんですか?

 

土屋: 割と僕はありますよ。寂しいじゃないですか。僕、寂しくてハムスター飼ったくらいなんですから。

 

根本: そう!稽古場にハムスター連れてきたんだよね。稽古場で動物連れてきた人、初めて見ましたよ。しかもその日、演出助手と私とシオン君だけ朝から稽古の日で、全体稽古の時なら、「なにハムスター連れてきてんの?」ってみんなで言えるけど、どこまで弄っていいか分かんないし、手とか乗せてたから、どうしようとか思って。私、今日も連れてくるんじゃないかってドキドキしてましたよ(笑)

 

土屋: ハムスターをセットに置いておくって案も出たんですよね(笑)

 

根本: 置いておかなくて本当に良かったですよ。でも最初、あの役がきてどう思った?

 

土屋: あの酷い男を自分が演じて、世の中に輩出していろんな人に見てもらいたいって思いました。僕の嫌いな男を演じただけなんで。そういう男達もいるってことはみんなにも知っておいてもらいたい事実であって、信じないってそこで言うんであれば、それはそれで自分を守る術として別にいいと思うんですよ。だから、自分のファンの人達にもちゃんと目を逸らさずに見て頂きたい部分であって、そういうところを知った上で、誰かを応援してほしいなって思いますね。

 

根本: あんな人、応援したくないけどね。本当にあんなんだったらね。

 

土屋: そういう人達がいっぱいいる中で応援する人を自分で選んでほしいなって。

 

根本: 応援するべき人は俺だってことでしょ?(笑) でも面白かったのが、土屋シオン君にあの役を振ってくれたことで見たことない一面を見られて役者さんとして素敵だったっていう人と、やっぱりああいうのは見たくなかったって両極端だったことなんです。劇中で描いたアンリはまさに後者タイプのファンで、更にその現実を見ないって過度なスタイルだったけど(笑) あと、実話ベースと言いつつ、シオン君がやってくれたからエンタメになったってところがかなりある。小劇場の役者があれやると本当に嫌な奴になっちゃうと思うけど、愛される術を持ってるから、嫌われない微妙なラインを狙ってくるので、そこはすごく面白かったなって思う。元々、バンドの人の話で、チャラチャラした男の人の役を探してるオーディションを受けて頂いて、なかなか決まらなかった役で、このオーディションで見つからなかったら、時期的に間に合わないから話を変えるしかないっていうタイミングで、シオン君が現れて、劇団員の梨木と2人で「あ〜!」って(笑)

 

土屋: (笑)

 

根本: でも、私自身もあそこまでの役を自分で演じながら、演出したことがなかったので、反省点も多くて。後悔はしてないんだけど、シオン君にしたダメ出しの中で、これは言い過ぎだったなっていうがあって、すごく良くなかった回に、すっげえ良くなかったんですけど!ってブチ切れて。いい加減にしてくれって。他にも良くない人はいたんだけど、シオン君が特に良くなかった回で、カチンときて、「ファンと話をしてる暇あったら、稽古したらいいんじゃないすか」って言ってちゃって(笑)

 

土屋: ありましたね。その次の回、僕、分かりやすくお見送りしなかったっていう(笑)

 

根本: ごめんと思って(笑) その回に見に来た人には何の関係もないのに。やばい、出なくなっちゃったって思って。

 

土屋: 僕、お見送りしなかった自分に腹が立って家に帰って反省しちゃって。観に来たお客さんには関係なくて、その回だけ来た人とかに悪いことをしてしまったっていう思いで。

 

根本: 口に出してしまうくらい本当に良くなかったってことなんだけど。これまで、自分が一番若いって現場が自分の劇団なのにずっと多くて、最近は歳下の子も増えてきたんですけど、言うとこは言わないと舐められちゃうっていうのがあって。

 

土屋: バチ切れでしたね(笑)

 

根本: あんまり言うと萎縮しちゃって出来なくなるタイプの役者さんもいるからそこは人によって考えてるけど、割とシオン君は悔しいっていう気持ちを糧にやる人なのかなって思ったから、そういう言葉を選びましたね。

 

土屋: ダメ出しが出る時って、皆が絡んで絡んでの芝居だと、全体責任というか、目立って悪かった人がいたとしても、その人を崩したのは周りかもしれないというところもすごくあるから、自分じゃなくても悔しいっていうのがあって。今ここで言うと、ゴマすってるみたいですけど、根本さんが書かれる台本が好きなんで、やりたいことをアウトプット出来なかった時がすごく悔しくて。

 

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根本: 悔しいのが出ちゃうんですよね、芝居に。イライラしたのを芝居に乗せないで下さいってダメ出しが一番多かった。イライラすると、例えば、椅子を蹴るのが大きくなっちゃったりする。自分の芝居が出来てないからって椅子を大きく蹴ればいいわけじゃありません!って言い続けてましたね(笑) イライラは客席にも分かっちゃうよ、って。でも、芝居の中では相手役でもあったので、口うるさく言って、演出家とお芝居してるみたいな空気になっちゃっても良くないから、そこは気をつけましたけど。喧嘩をするシーンについては、実体験の中で嫌だったことが元になってるんだけど、お客さんが笑ってくれることで消化されるというのはありましたね。

 

土屋: 日常にある喧嘩って本人達は真面目なんですけど、端から見ると滑稽で面白かったりしますよね。駅で痴話喧嘩などを聞いてたりるんすけど。笑っちゃいけないと思いつつも。

 

根本: 喧嘩とかはしますか?

 

土屋: 僕ですか?どうなんだろう。友達とかも少ないというか。あんまり知り合ったからといって友達になるというタイプじゃなくて。ソウルメイトにならない限り(笑)

 

根本: じゃあ、この前の座組みで友達になれた人はいる?

 

土屋: おこがましいんじゃないかなってのがあって。でも小西さんとかそうですね。でも僕の方がだいぶ年下なので、先輩っていうイメージもあって。友達という感覚とは違うかもしれないですね。ご飯にいったりはしてますけど。

 

前編 後編

 

公演情報 M&Oplays プロデュース
『水の戯れ』

 

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作・演出:岩松了
出演:光石研、菊池亜希子、近藤公園、瑛蓮、根本宗子、岩松了、池田成志
主催・製作:(株)森崎事務所 M&Oplays

 

東京公演
公演日程:2014年11月1日(土)~11月16日(日)
会場:下北沢 本多劇場

 

大阪公演
公演日程:2014年11月22日(土)
会場:梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

 

名古屋公演
公演日程:2014年11月24日(月・振休)
会場:名鉄ホール

 

神奈川公演
公演日程:2014年11月29日(土)、11月30日(日)
会場:KAAT神奈川芸術劇場大スタジオ

 

⇒詳細は[公式WEB]にて
公演情報 D-BOYS 10th Anniversary
Dステ15th『駆けぬける風のように』

 

Dstage

 

脚本・演出:成井豊
出演: 和田正人、陳内 将、遠藤雄弥、加治将樹、堀井新太、山田悠介、土屋シオン、前山剛久 /岡田達也、三浦剛、筒井俊作、鍛治本大樹 (演劇集団キャラメルボックス)
企画・製作:ワタナベエンターテインメント

 

東京公演
公演日程:2014年10月9日(木)~19日(日)
会場:サンシャイン劇場

 

大阪公演
公演日程:2014年10月24日(金)~26日(日)
会場:梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

 

名古屋公演
公演日程:2014年10月31日(金)~11月1日(土)
会場:名鉄ホール

 

⇒詳細は[公式WEB]にて